情報コーナー

塩素の形態
?Forms of Chlorine ?

はじめに

塩素は自動給水システムで用いられる一般的な消毒薬です。塩素は、低濃度では実験動物の飲水の消毒、あるいは逆浸透浄化システムへ入れる供給水の前処理に用いられ、高濃度ではラック・マニホールド、リコイル・ホース、および室内配管を消毒するために用いられます。塩素テスト・キットを水中の塩素濃度を測定するために用いなければなりません。
よくある質問は以下のとおりです;

 ● “塩素テスト・キットは何を測定するのですか?”

 ● ““遊離塩素と総塩素の違いは何ですか”

 ● ““どの形態の塩素が一番すぐれた消毒薬ですか?”

このパンフレットはこれらの質問に答えるために書かれたものです。塩素処理あるいは水質についてほかにご質問があればエデストロム・ジャパンへお問い合わせください。

水中における塩素の形態
塩素テスト・キットは水中の遊離塩素あるいは総塩素のいずれかを測定します。

遊離塩素
遊離塩素とは、溶存ガス(Cl2)、次亜塩素酸 (HOCl)、および次亜塩素酸イオン (OCl-) として水中に存在する残留塩素の濃度として定義されています。3つの形態の遊離塩素は平衡状態で共存しています。

Cl2 + H2O ⇔  HOCl + H+ + Cl-

HOCl ⇔  H+ + OCl-

その相対的な割合は pH 値と温度によって決まります。

上の図は pH 値が 25 °C の水中における遊離塩素の形態に及ぼす影響を示したものです。

pH が2以下に下がると、優勢な形態は Cl2 となります。pH が2と7の間では、平衡は HOCl に遊離となります。pH 7.4 では HOCl と OCl- がほぼ等しくなりますが、これ以上のpH では OCl- の割合が増えていきます。

遊離塩素を測定するテストキットは HOCl, OCl-, および Cl2 を合わせた濃度を示します。.

結合塩素
結合塩素とは天然の水すなわち汚染した水に存在するアンモニアあるいは有機アミンと化学的に結合して水中に存在する残留塩素と定義づけられています。アンモニアは塩素添加公共水道水に故意に添加して無機クロラミンにすることがあります。

総塩素
総塩素とは遊離塩素と結合塩素の合計です。ほとんどの水道水に塩素を添加すると、アンモニアあるいは有機窒素化合物(結合塩素を形成するために必要な)の濃度が非常に低いので、基本的には総塩素と遊離塩素とは等しい。都市水道水にクロラミンが存在すると、総塩素濃度は遊離塩素濃度よりも高くなります。

消毒力

水中に存在するいろいろな形態の塩素の殺菌力は次のような順序です。

注意
自動給水システムにおいては、水を pH 5.0 以下に酸性にしないでください。低い pH では、塩素は溶存塩素ガス (Cl2) として存在し、これは飲水バルブのシリコン製 O-リングの膨潤を起こします。

HOCl > OCl- > 無機クロラミン > 有機クロラミン

HOCl は次亜塩素酸イオンよりも 100 倍以上強力な酸化剤であり消毒剤です。したがって、遊離塩素は pH 5-7 で最も効果的であり、この pH では HOCl が多く存在します。pH が増加するにつれて有効性が低下します。

無機クロラミンは弱い消毒剤ですが、遊離塩素よりも安定であり、長い暴露期間にわたり消毒効果を発揮します。自治体の中には、消毒にクロラミンを使用しているところがあります。クロラミンはトリハロメタンを形成しないからです。

遊離塩素は結合塩素よりも強力な消毒剤であるので、遊離塩素テストは低濃度(2 ppm 以下)における消毒力の最もすぐれた測定方法です。高い濃度では、遊離塩素と総塩素との間の差ははっきりしないので総塩素テストを用いることができます。

参考文献

塩素の形態に関するもっと多くの情報が以下の資料から得られます。

Cole, L. "Chlorine and Chloramines". Water Technology; 10(5):36-39, 1987.

Palin, A.T. Chemistry and Control of Modern Chlorination, 2nd ed. LaMotte Co., Chestertown, MD, 1983.

White, G.C. Handbook of Chlorination, 2nd ed. Van Nostrand Reinhold, New York, NY, pp.150-213, 1986.


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