情報コーナー

細菌数コントロール
?Bacteria Control ?

自動給水システムのためのトラブルシューティング・ガイド

よくある質問

自動給水システム内に細菌数が多いという問題を抱えている施設からよくお電話をいただきます。そういうときには、問題を明らかにするために次のような質問をすることにしています。

 ● “サンプルはどこでそしてどのようにして採取するのですか?”

 ● “水は何のために検査するのですか?”

 ● “供給水の細菌学的な水質とは何ですか?”

汚染がどこで起きているかを突き止めるためにこれらの質問をするのです。細菌数は供給水の中で高いのですか、それとも自動給水システムの1カ所でのみ高いのですか?細菌数が高くなっている源あるいは程度を知ってはじめて問題解決ができます。

細菌数がいくらになったら高すぎるというのですか?実験動物の飲水には特別な基準はありませんが、多くの施設は総菌数について独自の基準を定めており、それは 500 cfu/mL から1 cfu/mL の幅があります。("cfu" = colony forming units コロニー形成単位)(詳細は実験動物の飲水の品質基準を参照)

自動給水システムにおける細菌学的な水質を改善するために、定期的なフラッシング、デッドレッグを無くすこと、定期的な消毒、および供給水の処理をお奨めします。以下のトラブルシューティング・ガイドによって、細菌学的水質を改善する設計やメンテナンスの詳細なチェックリストが得られます。自動給水システムにおける細菌学的な諸問題の原因を特定するためのお手伝いが必要でしたらエデストロム・ジャパンへご連絡ください。

フラッシング

1つの自動給水システムにおいて、実験動物が飲む水の量は非常にわずかです。このため、水が入れ替わる回数は非常に少なく、細菌が発育しパイプの内面に付着する条件ができます。速い流速でパイプに新鮮な水を定期的にフラッシングすることによって澱んだ水が交換され、バイオフィルム(パイプの内面に付着した細菌)が少なくなります。

フラッシングの回数
“典型的な”フラッシング・スケジュールは1日に1ないし2回です。各施設はフラッシングの回数を決めるためにその水質をモニタリングしなければなりません。

フラッシング時間の長さ
“典型的な”フラッシング時間の長さは2分です。15 psi (約 1 kg/cm2)でフラッシングをするとき、これによって100 フィート長の室内配管で 2-3 回水が入れ替わります。配管がもっと長い場合は、フラッシング時間を長くする必要があります。

フラッシングの流速
速い流速、乱流がパイプ表面のバイオフィルムを少なくするのに非常に有効です。水圧が高ければ高いほど、流速が速くなります。減圧弁を2個具備した減圧装置では2個目の減圧弁により 15-17 psi (1 kg-1.2 kg/cm2)が得られ、その水圧でフラッシングされます。

一貫したフラッシング
手動のフラッシング・システムは定期的に一貫して実施してはじめて効果があります。自動システムではフラッシングが毎日確実に変わりなく行われて、そのための人件費がかかりません。

パイプの太さ
パイプが太すぎると、フラッシング流速が遅くなるためフラッシング効果が少なくなります。太すぎるパイプは交換するか水の処理を検討してください。

マニホールドのフラッシング
室内配管のフラッシングと同様に、On-line Rack Manifold Flushing によって移動式ラック・マニホールドの中の水が新鮮な水と入れ替えることができます。自動システムによって毎日のフラッシングが高圧・高速で確実に行うことができます。マニホールド配管もケージ洗浄エリアで特殊なフラッシング・ステーションを使ってフラッシングすることができます。

マニホールドの形状
"S" 字状マニホールドによってオンライン・フラッシングがより効果的になります。逆 "S" 字状マニホールドは空気だまりを作らずにフラッシングを行います。"H" 型形状はフラッシング効果を高めるために"S" 字状形状に更新することができます。

リコイル・ホースのフラッシング
リコイル・ホースは On-line Flushing System の一部としてマニホールドと一緒にオンラインでフラッシングすることができます。あるいはケージ洗浄エリアで Recoil Hose Flush Stations を用いて定期的にフラッシングすることができます。

デッドレッグ

デッドレッグとは配管システム中で水が滞留していて、そしてフラッシング中に水が入れ替わらない場所です。デッドエンドのパイプ内および割れ目の中の細菌はフラッシングおよび消毒操作の効き目はなく、配管システムを再汚染する可能性があります。最新の配管設計ではデッドエンド・パイプの長さをパイプの直径の6倍に押さえています(デッドレッグはもっと短いほうがよい)。これは6直径の原則といいます。

デッドエンド配管
減圧装置の供給水中に高い細菌数が発見されたときには、デッドレッグが建物内の上流の配管にないかどうか探します。例:めったに使われないシンクへの配管。ある動物室が使われていなくて、フラッシングされていない場合、その室への給水を閉じて配管を水抜きします。デッドエンドのないようにするために配管し直す必要があるかもしれません。

PRS チューブ接続
1988 年以前に作られた減圧装置(PRS) は圧力ゲージと圧力スイッチにフレキシブル・チューブで接続されています。新しい減圧装置は圧力ゲージとスイッチを直接装置内のフラッシング配管に接続することによってこのデッドレッグを短くしています。

二重圧力フラッシング
1988 年以降に作られた自動フラッシングシステムは 15 psi (約 1 kg/cm2)と 3 psi 約 0.2 kg/cm2)の両水圧で各減圧装置をフラッシングします。これ以前のシステムは、15 psi (約 1 kg/cm2)のみでフラッシングしていたので、低圧レギュレーターをフラッシングしませんでした。このため低圧レギュレーターがよどみポケットになっていました。古いフラッシングシステムは二重水圧フラッシングに更新することができます。

レギュレーターのデザイン
1988 年以来、すべての圧力レギュレーターについて "Total Water Exchange" が標準になりました。ユニークな "Flow Valve Diffuser" が開発され、レギュレーター・ダイヤフラムの全表面を横切る流速を早くしました。このようにデザインが改良されたことによって、レギュレーターの中の水が完全に交換され、高いフラッシング流速によって細菌の発育が抑制されました。古いレギュレーターは組換えキットによって更新することができます。

リコイル・ホースの取り外し
室内配管からぶら下がったままになっている使われていないリコイル・ホースはデッドレッグです。取り外しのできるホースに取り替えて、使わないときには取り外しましょう。

相互接続設計
古い CPVC 自動給水システムはリコイル・ホースを室内配管に接続するために "T-J" 組み立て方式を用いています。新しいシステムでは、 "T" 継手のみを用いています。これによって簡易脱着式継手へのパイプの長さが短くなっています。

割れ目を少なくする
O-リング接続とねじ切りパイプ接続は配管システムの中の小さな割れ目の2つの例であって、これに細菌が住み着くことができます。最近の自動給水システム設計では衛生的なタイプのパイプ接続具と割れ目を少なくする滑らかな表面を用いています。

サニテーション

水が塩素のような消毒薬を常に含有していないと、バイオフィルムが濡れた配管表面に発育します。定期的なフラッシングは自動給水システムにおける細菌の蓄積を少なくしますが、フラッシングだけではバイオフィルムを完全に無くすことができません。化学殺菌剤による定期的消毒がバイオフィルムを除去し破壊するために必要です。効果的な酸化殺菌剤には塩素、二酸化塩素、およびオゾンがあります。殺菌剤は腐蝕性がありますので推奨濃度および使用法についてはエデストロム・ジャパンにご相談ください。

マニホールドの消毒
移動式ラックのマニホールドは Edstrom Industries の Chlori-Flush Station を用いてケージ洗浄エリアで洗浄サイクルの後で塩素消毒をすることができます。消毒の頻度は 1-2 週に1回が一般的です(ラック洗浄の頻度と同じ)。

ホースの消毒
1988 年以前に作られた減圧装置(PRS)は圧力ゲージと圧力スイッチへの接続にフレキシブル・チューブを用いています。新しい減圧装置は圧力ゲージとスイッチを直接装置内のフラッシング配管に接続することによってこのデッドレッグを短くしています。

室内配管
自動給水システムには消毒液を注入する注入ポートが必要です。このポートは一般的に各減圧ステーションへの入り口に取り付けられています。Edstrom Industries の Portable Sanitizer は塩素または二酸化塩素消毒液を注入するために設計されています。通常、動物ラックは消毒中は室内配管から外されます。月1回の消毒が一般的ですが、特定のシステムについての消毒頻度はそのデザイン、フラッシングとフィルター交換の頻度、供給水の水質、そして細菌学的な水質についてのあなたの目標によって決まります。

水質お役立ち情報

水質と処理
入ってくる供給水の水質は自動給水システム内の細菌学的水質に影響を及ぼします。

フィルターの交換
フィルターカートリッジはバイオフィルムの付着と発育のために多くの表面積を提供します。フィルターカートリッジは少なくても 30 日に1回は交換すべきです。

残留塩素
自動給水システムの中には残留塩素が測定できますか?供給水の中の低濃度の塩素は、特にシステムが定期的にフラッシングされている場合には、細菌数を低く押さえるのに役立ちます。Edstrom Industries の Central Proportioner は水道水の塩素が消失しているときに塩素を注入するために用いられます。

酸性化
塩素処理の代替として、供給水を pH 2.5- 3 に酸性化することができます。この pH は緑膿菌のような水に一般的なグラム陰性細菌を殺します。ある種の酵母、糸状菌、および繊維状細菌(アクチノミセス)は酸性条件下で増殖できることを知っていなければなりません。

紫外線照射
UV 照射はユニットを通って流れる水中の細菌とウイルスを殺します。UV 照射は水を化学的に変化させず、殺された微生物は水から除去されません、UV は清澄さの高い純化 RO 水または蒸留水の処理に非常に効果的です。UV ユニットは給水システムにおける1ポイントにおける細菌を殺すだけで、下流に残留殺菌効果を提供しません。UV ユニットの下流で細菌の再発育をコントロールするためにはフラッシングと消毒も使う必要があります。

超微小濾過
逆浸透水浄化および 0.2 ミクロン級フィルターは入ってくる供給水から細菌を除去します。フィルターの下流で細菌の再発育をコントロールするためにはフラッシングと消毒も使う必要があります。

水の浄化
逆浸透 (RO) 処理は供給水からほとんどの無機および有機の化学汚染物を除去します。RO は水道水にくらべて細菌を少なく押さえる純粋で栄養の乏しい水を作り出します。 注:脱イオン(DI)水処理は溶解しているイオン化化学物質を除去するだけで、有機化学物質、細菌、あるいは他の微生物は除去しません。


このページのTOPへ

© 2013 Edstrom Japan, Co., LTD. All rights reserved