情報コーナー

バイオフィルム
? Biofilm ?

バイオフィルムとは何か?

”正確にはバイオフィルム(生物膜)としてよく知られているが、スライム(ねと)シティは水があるところならどこでも、台所でも、コンタクトレンズでも、動物の腸管ライニングにも、はびこっていく。そのシティが郊外へどんどん伸びていけば.バイオフィルは肉眼で見ることができるようになり、水道管の内部をコーティングしたり、あるいは鉛管設備からつるつるして緑色にぶら下がってくる。”(Coghlan 1996)

簡単にいえば、バイオフィルムとは微生物が排泄するスライムで囲まれた微生物の集合体であり、自動力のない表面または生きた表面に付着している。あなたはすでにいくつかのバイオフィルムを知っている:歯の上に付いたプラーク、川の石の上のぬるぬるしたスライム、花を1週間いけておいた花瓶の内部のゲル上の薄膜などである。
すべての細菌の99%以上はバイオフィルム社会に住んでいる。有益な細菌もある。たとえば、汚水処理プラントは水から汚染物を除去するためにバイオフィルムに依存している。しかし、バイオフィルムはパイプを腐食させたり、水フィルターを詰まらせたり、医療インプラントの拒絶を起こしたり、そして飲料水を汚染させる細菌を保持したりすることによって問題も起こす。

なぜバイオフィルムについて学ぶのか?

”微生物学者は伝統的に実験室内の培地に発育する浮遊細菌に焦点を当ててきた;しかし、彼らは最近になって自然界では多くの細菌はバイオフィルムとして凝集していることを認識するようになってきた。細菌は非常に異なった振舞いをする形態である。その結果として、バイオフィルムは今では微生物学における最もホットなトピックスの一つである。”(Potera 1996)

あらゆる給水システムにおけるように、自動給水システムにおける細菌の99%は内部表面にくっついたバイオフィルムの中にいそうである。バイオフィルムは飲水中の浮遊細菌の多くの源泉であり、それらの細菌の中には実験動物に感染や病気を起こすものがある。一つの一般的なバイオフィルム細菌である緑膿菌は免疫系の抑制された動物に感染する二次病原菌である。動物の健康に影響する細菌の保有体であるばかりでなく、バイオフィルムはステンレススチールの配管システムに腐食も起こす。我々の顧客が要求する細菌学的品質を届ける自動給水システムを設計し操作するために、我々はバイオフィルムがどのようにできてくるか、バイオフィルムが起こす問題、そしてどうしたらそれを制御できるかを知らなければならない。

バイオフィルムの中の細菌を理解することは今後に備える第一ステップである。我々は、塩素添加逆浸透水を供給し、フラッシングと消毒で水質を維持することによって、顧客の多くが要求する細菌学的水質基準の多くを満足してきている。(Microbiological Survey of Automated Watering Systems,D209,Dreeszen 1996参照)しかし、動物の飲水に塩素の使用が禁止されたらどうするか?あるいは、新しい特殊な動物の使用にともない水質基準がもっと厳しくなったらどうするか?

もちろん、みなさんがバイオフィルムについて知りたいと思い、細菌がその環境に適応し我々が除去しようとする試みを回避する能力を知って驚嘆するかもしれない。

バイオフィルムができるまで

バイオフィルムができるステップ
清浄なパイプが水で満たされたとたんに、バイオフィルムが形成されはじめる。バイオフィルムは以下のステップでできてくる。

ステップ1 表面のコンディショニング
表面に付く最初の物質は細菌ではなくて微量の有機物である。清浄なパイプの表面が水と接触するとほとんど即座に、有機層が水/固体インターフェース上に付着する(Mittelman 1985)。これらの有機物は過剰の表面荷電と表面自由エネルギーを中和する“コンディショニング層”といわれている。過剰の表面荷電と表面自由エネルギーは細菌細胞が付着しはじめるのに十分近くまで接近するのを防いでいる。さらに、吸着された有機分子は細菌の栄養源として働くことが多い。

図1.有機分子のコンディショニングフィルムから清浄表面への吸着。
(Characklis 1990)

ステップ2 ‘パイオニア’細菌の付着
流水しているパイプの中では、浮遊微生物はパイプ壁に近づき、境界層すなわち流速がゼロに落ちているパイプ壁における静止ゾーンに取り込まれる。これらの細胞の中には、一定時間、表面にぶつかり吸着されてから放出されるものがある。これは可逆的吸着と呼ばれる。この最初の付着は静電引力と物理的な力に基づいており、化学的付着ではない。可逆的に吸着した細胞の中には、細胞を永久に表面に吸着させる構造を形成することによって、長い滞在の準備を始めるものがある。これらの細胞は不可逆的に吸着される。

図2.細菌細胞のコンディショニングされた表面への
輸送、吸着、脱着、および不可逆的吸着。
(Characklis 1990)

ステップ3 グリコカリックスすなわち‘スライム’の形成
バイオフィルム細菌は細胞外高分子化合物すなわち粘着性ポリマーを排泄する。これによってバイオフィルムを結合しそれをパイプ壁に接着する。さらに、これらのポリマー鎖は微量栄養素を捕捉し細菌を殺菌剤から保護する。Mittelman(1985)によれば、“付着は細菌細胞壁から外部に伸びる細胞外ポリマーによって仲介される(クモの巣の構造によく似ている)。この高分子物質すなわちグリコカリックスは、付着を容易にするばかりでなく微量栄養素を上層の水から捕捉し濃縮する作用もする荷電したポリサッカライドと中性のポリサッカライドからできている。グリコカリックスは付着細胞のために殺菌剤や他の有毒物質の影響を軽減する保護膜としても作用する。

図3.野育ちの細菌は、表面に付着する細胞外ポリマーを持つ
“毛だらけの”細胞である。(Mittelman1985)

栄養素が蓄積するにつれて、パイオニア細胞は増殖しはじめる。娘細胞は自身のグリコカリックスを産生し、イオン交換表面のボリュームを大きく増加させる。やがて、細菌の発育コロニーができる。(Mayette 1992)

図4.バイオフィルムは微生物と細胞外ポリマーの
“蜘蛛の巣”からできている。

成熟バイオフィルムにおいては、ボリュームの多くは細菌細胞(5~25%)よりもゆるく組織されたグリコカリックスのマトリックス(75~95%)で占められる(Geesey1994)。グリコカリックスのマトリックスは大量の水を保持しているので、バイオフィルムで覆われた表面はゼラチン状でつるつるしている。

ステップ4 二次コロニー形成微生物
栄養分子を捕捉するだけでなく、グリコカリックスのネットは物理的抑制と静電相互作用を通じて他のタイブの微生物細胞も取り込む。これらの二次コロニー形成微生物は一次コロニー形成微生物の排泄物を代謝すると同時に、自分自身の排泄物を産生し、この排泄物を他の細胞が順に利用する。Borenstein(1994)によれば、これらの“他の細菌および真菌はパイオニア種によるコロニー形成の後にほぼ数日で表面にくっつく。”

ステップ5 完全に機能するバイオフィルム:種の協同的“債権者会”
成熟した、完全に機能しているバイオフィルムはパイプ表面上の生きた組織のようである。それは、それぞれがカスタムメイドのミクロな生態的地位に活きる異なる微生物種から構成されている複雑で、代謝的に協同的な社会である。バイオフィルムは原始的な循環システムを持つとさえ考えられている。成熟したバイオフィルムのことは想像的には論文“Slime City’’に書かれている。

“異なる種がスライム・シティの中で親密に生活し、お互いに助け合って、隣人らしい交互作用を通じて食糧供給を利用し抗生物質に抵抗している。ある種が産生する毒性のある排泄物はその隣人ががつがつと食べてしまう。そして、公共のスライム・シティを建設するために生化学的資源をプールすることによって、数種の細菌は、それぞれ異なる酵素で武装して、単一の種だけでは消化できない食糧供給を消化する。”“バイオフイルムはあらゆるレベルでチャンネルのネットワークが浸透し、これを通じて水、細菌の排泄物、栄養素、酵素、代謝物および酸素が行き来する。ミクロゾーン間の化学物質とイオンの勾配によってバイオフイルムの周囲の物質を入れ替える力が生まわる。”(Coghlan 1996)

バイオフィルムは発育し広がる
バイオフィルムは通常の細胞分裂によって独自の速度で広がることができ、また定期的に新しい‘パイオニア’細胞を放出し配管の下流部分にコロニーを作る。バイオフィルムが発育して、境界層を通って流速が速く流れの強いゾーンにまで達する厚さになるにつれて、細胞の中には抜け落ちるものが出てくる。Mayette(1992)によれば、“これらの後のパイオニア細胞はその上流の先輩細胞よりもいくぶん得をする。なぜなら、親フィルムは排泄物を流れの中に放出し、それが下流のコロニーのできていないパイプ部分に最初の有機質コーティングとなるか、あるいは他のタイブの細胞の栄養物質になるからである。”

図5.細菌および他の微生物はバイオフィルムの中に協同的コロニーすなわち”組合”をつくる。嫌気性バイオフィルムは好気性の層の下に発育する。バイオフィルムの厚さは、流水が荒れ狂う流れにまで広がってきた細胞を剥がすので平衡に達する。
(Borenstein 1994)

バイオフィルムが発育する速度
Mittelman(1985)によれば、成熟バイオフィルムの発育はそのシステムによって数時間から数週間と異なる。緑膿菌は一般的な‘パイオニア’細菌であり、多くのバイオフィルム研究で用いられる。ある実験では(Vanhaecke 1990)、研究者は緑膿菌細胞がステンレススチールに、電気研磨した表面にさえ、30秒以内の暴露で付着することを発見した。

バイオフィルムができる理由:食料と保護

細菌の表面への付着とバイオフィルムの発育は生存メカニズムとしてみることができる。細菌は栄養を獲得し殺菌剤から保護されることによってベネフィットを得る。

食料

飲料水、とくに高純度の水道水は栄養の乏しい環境であるが、低すぎて測定できないほどの栄養濃度でも、細菌が発育し増殖するのに十分である。栄養の乏しい環境で発育できる細菌および他の微生物は低栄養微生物と呼ばれる。細菌は栄養素に遭遇する機会を増やすために、表面を発見し付着する手段を発達させてきた。表面への付着とバイオフィルムの発育によってどんな利益が得られるか?

  1. 微量有機物が表面上に濃縮される
  2. 細胞外ポリマーがさらに大量の水から微量栄養素を濃縮する
  3. 二次コロニー作成微生物が隣からの廃棄物を利用する
  4. 生化学的資源をプールすることによって、数種の細菌が、異なる酵素で武装して、単一の種だけでは消化できない食糧供給を消化できる

表面を発見して付着するために細菌はどんな手段を発達させたか?

運動性と走化性
運動性の細菌は化学的濃度勾配に沿って栄養濃度の高い方へ泳ぐことができる。化学的(栄養)勾配に反応して微生物が運動することを走化性と呼ぶ。緑膿菌は鞭毛を用いてパイプ壁の高い栄養濃度の方へ動く運動性の細菌である。緑膿菌がステンレススチール表面に付着することに関する実験において(Stanley1983)、研究者達は鞭毛を除去するために細胞をプレンダーの中に入れた。鞭毛が除去されると細胞の付着率が90%減少した。

疎水性細胞壁
多くの微生物は精製水システムで遭遇する飢餓状態に直面すると、表面への親和性を高めるために細胞壁の構造を変化さえることによって応答する。外膜のタンバクと脂質の構成を変化させることによって、荷電と疎水性を変化させることができる。細胞壁は疎水性になる。“このような疎水性の細胞は水コラムからの出口を見つけること以外に何も要求しない。いったん境界層(流速がゼロに下がっているパイプ壁のデッドゾーン)にはいると、細胞はパイプ表面に引きつけられる(Mayette1992)。

細胞外ポリマー産生
いったん表面に達すると、細菌壁はその粘着性のポリマーで表面に自身を据え付ける。単純なフラツシングではもはやこれらの細胞を除去するには適切でない。

消毒薬からの保護

“いったん微生物が付着したら、それらは通常の消毒プロセスに耐えることができなければならない。バイオフィルム細菌は殺菌剤に対する抵抗性を発揮する。これはすごいことである(LeChevallier1988)”

この研究者はバイオフィルムを伴った細菌は浮遊細菌よりも遊離塩素に対して150~3000倍、モノクロラミンに対して2~100倍抵抗性が高いことを証明した。

別の研究者の仕事(Anderson1990、下記要旨参照)は、緑膿菌はその攻撃物をかわす賢明な手段を持っていることを示唆している:緑膿菌はパイプ内部にたまる粘着性のスライムを分泌する。給水システムの中をフラッシュされる殺菌剤は浮遊微生物を殺すが、粘着性のバイオフィルムに埋没された細菌には触れることができない。

試験の要約:緑膿菌の消毒とパイプの中における再発育

アトランタに本拠のある Centers for Disease Control Roger Anderson とその共同研究者達はプラスチック製パイプに2株の緑膿菌で汚染された水を充填した。緑膿菌を8週間培養した後に、細菌が増殖した水を捨て、パイプに塩素を含む殺菌剤を7日間かけた。その後に、パイプに蒸留水を再充填し、“クリーンな”水を定期的にサンプリングした。両株は化学処理したパイプの中で生き続け、そこで再びコロニーを作った。

細菌がバイオフィルムの中にいるとき、細菌は殺菌剤に非常に抵抗性である。“実際に、殺菌剤処理後、自身を守るために微生物は多くの細胞外ポリマーを産生することが多い(Borenstein1994)。”

どのようにしてバイオフィルムは消毒薬から保護されるか?

保護シールド

バイオフィルムを形成する細胞を破壊するためには、消毒薬は先ず周囲のポリサッカライドネットワークと反応しなければならない。細胞自身は実際的に抵抗性ではなく、どちらかというと自分自身を保護シールドで囲んでいる。消毒薬の酸化カは細胞に到達する前に使い果たされている。

拡散限界

細胞がパイプ壁に付着するとき、消毒薬のデリバリーは、境界層を横切りバイオフィルムを通過するその化合物の拡散率によって制限を受ける。消毒薬がバイオフィルム中の細菌細胞に到達するには、浮遊微生物よりも、長い接触時間にわたる高濃度が必要である。

新しい発見

Center for Biofilm Engineeringによる最近の研究は細菌とバイオフィルムに関する初期の仮説を駆逐した。

Center for Biofilm Engineering

Center for Biofilm Engineering は Bozeman にある Montana State University に 1990 年に National Science Foundation Engineering Research Centers プログラムによって設立された。その任務はバイオフィルムのできるプロセスを理解し、コントロールし、そして利用するための基礎知識と教育を進めることである。センターのホームページは http://www.biofilm.montana.edu/

バイオフィルムの構造

過去において、微生物学者はバイオフィルムは特定の構造またはパターンなしに位置している細菌の無秩序な固まりを含んでいると仮定していた。ゲル上の構造を破壊せずにバイオフィルムを拡大してみせる新しい技術によって研究者達は、あたかも衛星から都市を見るかのように、複雑なバイオフィルムの構造を発見することができた。この構造は最近の論文“Slime City”(Coghlan1996)に書かれている:

“多くの場合に、バイオフィルムの底は厚さが5-10ミクロンの緻密で不透明なスライムの床である。それは、ポリサッカライド、他の高分子物質および水、細菌が産生するあらゆるものの粘着性の混合物である。100~200ミクロン上にまいあがっているのはマッシュルームか松かさのような形をした細菌のコロニーである。街路に相当するところの上にはもっと多くのスライムがあり、チャンネルのネットワークのある水っぽい構造と様々な密度を持っており、水、細菌の排泄物、栄養素、酵素、代謝物および酸素が行き来している。”

図6.共焦顕微鏡を用いた直接観察に基づく単一種バイオフィルムの構造の概念図。単純な円錐形構造をしているミクロコロニーもあれば、マッシュルームのような形をしているものもある。水流(矢印)がコロニーの間のチャンネルを流れ栄養や排泄物を運ぶ。
(Costerton1995)

注:定期的にフラッシングされている自動給水システムでは、バイオフィルムの厚さは200ミクロン以下でなければならない。バイオフィルムの厚さと流速の項参照。

バイオフィルム細菌の生化学
過去の研究者は、バイオフィルム細菌は単独で浮遊している微生物のように行動すると考えていた、現在、バイオフィルム細菌は、自由に動きまわるいとこ細菌と全く同じ遺伝構造を持っていることは確かだけれども、その生化学は、それらが異なるセットの遺伝子を用いるようにスイッチしているので非常に異なることを発見している。

たとえば、Center for Biofilm Engineeringは緑膿菌がどのようにバイオフィルムを形成するかを研究した。菌がガラスにつくやいなや、菌はアルギン酸塩(通常、スライムの粘着性の形態)の合成に関与するある遺伝子にスイッチし、いったん細菌がアルギン酸塩に取り込まれるとそのスイッチを切る。現在、研究者達は、細菌細胞壁に存在するタンパクの30~40%もが固着菌と浮遊菌(‘都会生活者’と‘フリー浮浪者’とCoghlanによって呼ばれている、1996)とで異なっていると推定している。抗生物質の標的の中にはもうそこにはいないものがあるので、細菌を殺すことが難しくなる。これが主としてヒトおよび動物の内部のバイオフィルムの問題である。

化学的シグナル
研究者達は、細菌にバイオフィルム中での生活に会うように生化学を変化させるようにシグナルを送る化学物質(シグマ因子と呼ばれる)を研究している。もし、バイオフィルム細菌を浮遊菌に変化させる“逆シグマ因子”を発見できれば、バイオフィルムを“排泄シグナル”を送ることによって(Coghlan1996)溶解することが可能になる。

消毒の意味するところ
伝統的な消毒試験は単一種の浮遊実験室内培地を用いて行われてきた。ある消毒薬のCT定数は特定の細菌を殺すのに必要な(濃度)・(時間)で求められる。しかし、CT値はバイオフィルム中の細菌に外挿するべきではない。

これは、自動給水システムにおいて何を意味するか?一つには、水が低濃度の塩素を含んでいるときでも、どのようにして菌数を数えるかを説明する。水道水中の典型的な塩素濃度は0.5~2.O ppmである。この量の塩素は、浮遊細菌を殺すことがわかっているが、バイオフィルム細菌を殺すには不十分である。抜け落ちたバイオフィルムの断片はプレートカウントで現れる生菌を含む。これは重要なスライム産生菌で塩素耐性の強い緑膿菌では特別な問題である。ある動物施設では自分自身の検査を通じて、低い緑膿菌数を達成するためにRO水に約3 ppmの塩素が必要であると決めた。

発育因子

バイオフィルムの付着と発育に影響するファクター

表面材料
表面の材料はバイオフィルムの発育にほとんどまたは全く影響しない。ステンレススチールはプラスチック製パイプと同じく感受性である。Mayette(1992)によれば、“微生物が付着することができない配管材料はまだ発見されていない”。研究によれば、微生物はステンレススチール、テフロン、PVCおよびPVDF(Kynar)にほば等しい情熱を持って付着することがわかっている。

ある文献は、バイオフィルムの付着を遅らせるあるいは減らすために抗菌性添加物をプラスチックに入れることについて述べている(Hamilton1988)。しかし、彼らが用いた化学物質は飲料水供給には安全ではない。あるイオン交換樹脂を銀コーティングして微生物の発育を防いだ。しかし、銀耐性の細菌集団が発育する可能性がある(Flemming&Geesey)。飲料水には毒性のある表面コーティングの実際例はない。

試験の要約::
ステンレススチール表面 対 PVC 表面

スウェーデンの研究者 (Pedersen 1990) は流れる都市水道に暴露したステンレススチール表面と PVC 表面におけるバイオフィルムの発育を比較した。167 日後、表面に発育する微生物の数を比較した。親水性の電気研磨したステンレススチール表面と疎水性の PVC 表面における細胞の量には差がなかった。しかし、ざらざらした‘艶消し’仕上げのステンレススチール表面には電気研磨したスチール表面よりも 1.4 倍の微生物がついていた。表面の粗さにおける違いについては2つの理由が提案されている。
1)粗い表面は表面積が広い

2)粗い表面ははぎ取る力(流れ)からの保護が大きい。

表面積
純水システムにおけるバイオフィルムの発育に影響する一つの重大なファクターは表面積である。工業用水システムは、多くの自然環境(湖や河)と異なり、付着するための驚くほどの量の表面積を提供する。RO樹脂、DI樹脂、貯蔵タンク、カートリッジフィルター、および配管システムの全ては細菌の付着と発育に適した表面を提供する(Mittelman1985)。

表面の滑らかさ
滑らかな表面は付着細菌の最初の増強を遅らせるけれども、滑らかさは表面に付着するバイオフィルムのトータルの量には有意に影響しないように思われる。Meltzer(1993)によれば、”生物汚染を免れる表面は見つかっていない。表面構造は汚染の速さに影響するようであるが、暴露の最初の数時間に限られているようである。概して、滑らかな表面は粗い表面よりも最初の汚染速度は遅いが、数日を経過した後のバイオフィルム形成は避けられない。“この結論はステンレススチールに対する緑膿菌の付着に関する研究に基づいている(下記実験要旨参照)。

試験の要約::
緑膿菌の付着と表面の粗さ

ベルギーの研究者達 (Vanhaecke 1990) は 120-grit, 320-grit, 400-grit の粗度値を持ち電気研磨した 304-L および 316-L ステンレススチールに対する緑膿菌の付着率を比較した。
1)平方センチあたりに付着する最大菌数はステンレススチールのタイプすなわち表面の粗さに関係なかった。
2)測定可能な付着が、電気研磨した表面にも、30 秒以内に起こった。
3)疎水性細胞壁を持つ株は実験した表面の粗さに関係なく同じ速度で付着する。親水性の株は最も粗い 120-grit 表面により速く付着し、電気研磨した表面に最小の付着をした。純水中では細菌は疎水性になるように細胞壁を変化させることを銘記のこと。

流速
速い水流速度は、バイオフィルムの発育を変化させるが、細菌のパイプ表面への付着を防止しない。この結論はMittelman(1985)、Patterson(1991)およびMeltzer(1994)によって支持されている。速い流速は、以下の理由により細菌の付着を防止しないか、既存のバイオフィルムを除去しない:

境界層における遅い流れ
水流速度に関係なく、パイプ表面に隣接する層において最も遅く流れる。パイプ中央における水流が荒れ狂っているときでも、水流はパイプ壁ではゼロに落ちている。流速が乱れていないパイプ壁からの距離は境界層あるいはラミナー亜層と呼ばれる。ラミナー亜層の厚さはPittner(1988)によっていろいろな流速と5つのサイズのパイプについて計算された(下表参照)。Pittnerはラミナー亜層内のかきとる力は細菌細胞を除去するのに必要なよりも低い。

表1:ラミナー亜層の厚さ くミクロン)【Pittner1988】

パイプの太さ 流速(フイート/秒)
0.2
1.0
2.0
5.0
8.0
12.0
E.I. RDS
0.428"ID
*
*
125
55
37
26
1/2" Sch.80
*
*
136
60
40
28
1" Sch.80
*
265
146
65
43
30
2" Sch.80
537
291
158
69
46
32

3" Sch.80

563
305
165
74
48
33
4" Sch.80
582
312
170
75
50
34

*流れはこれらの条件では乱れていたり乱れていなかったりする。
最近のE.・.RDSフラッシュ速度は約2フィート/秒

細胞外ポリマーによる強力な付着
持続的な速い流れの水システムでは、バイオフィルムに集積する細菌は、とくにフィラメントによる付着に適したフィラメント状変種(緑膿菌のような)になる傾向がある。細菌はその‘粘着性の’細胞外ポリマーで表面に錨をおろす。

速い流速は細菌がパイプ表面に付着するのを防止しないけれども、バイオフィルム構造に以下の影響を持つ。

より密なバイオフィルム
Mittelman(1985)によれば、速い流速では、より密で、ややよりしっかりしたバイオフィルムが形成される。その結果として、触ってもぬるぬるしていないので、汚染物から離れることが多い。

限られたバイオフィルムの厚さ
バイオフィルムの最大の厚さはラミナーフロー層の厚さであると考えられる(表1参照)。一定速度のシステムでは、“水流や栄養に関係のない平衡の厚さに達する。ラミナー層を越えてバイオフィルムが発育する結果、浮遊性‘パイオニア’細胞が遊離し、これが、条件が許せば、パイプの別のセクションにバイオフィルムを形成する。”(Patterson1991)定期的にフラッシングされている自動給水システムのような、水の流れが変動するシステムでは、細菌はフラッシング中に抜け落ちる。この結果として、細菌のランダムな‘微細シャワー’となり、これによって総菌数に見られる毎日の変動を説明することができる。

限られた栄養
他の生物と同じように、細菌は発育と増殖のためにある栄養を必要とする。これらの栄養を制限すると、細菌の発育が制限を受けるが、“高純度のシステムにおける栄養レベルは細菌を厄介なほどに発育させ増殖させるのに明らかに十分である(Husted1994)。”表2は純水システムにおける栄養源のいくつかをリストしている。

表2:純水システムに存在する細菌の発育に必要な栄養素(Mittelman1985)

栄養

有機炭素

フミン酸とフルボ酸(源水)
パイプ成型材と溶剤
ガラスファイバー強化プラスチック(FRPs)
ポンプと計器の潤滑油
微生物の産物
職員
空中の挨

窒素 フミン酸とフルボ酸(源水)
硝酸塩と亜硝酸塩(源水)
微生物の産物
空中の挨
燐酸塩(源水)
微生物の産物
空中の挨
硫黄 硫酸塩(源水)
硫酸(RO前処理)
界面活性剤
空中の挨
微量ミネラルと塩 源水
配管プロセス
ガラスファイバー強化プラスチック(FRPs)
ステンレススチールシステム成分
RO前処理化学物質
職員
空中の挨

基質栄養
細菌は水システムにおけるパイプや継手から栄養を摂取するか?Flemming & Geesey(1990)によればイエスである。多くのプラスチックは生分解性ではないが、エボキシ樹脂、PVC パイプおよびポリアミドパイプから滲出してくるパイプセメントと成型材は細菌の有機炭素源になりうる。セルロースの RO 膜も栄養源になりうる。これが RO 水に水素添加しなければならない理由である。また、細菌はステンレススチールや他の金属成分から金属栄養を取り込む。

純水
完全な発育条件下では、細菌細胞は20分ごとに2つの娘細胞に分裂する(Harfst1992)。これは、一つの細胞とその子孫が8時間で200万以上の細胞に、あるいは24時間で4,000,000ボンドの細菌になる勘定であることを意味する。しかし、この発育速度は、スペースと利用できる栄養に限界があるために、(とくに清浄な飲水中では)実際は決して達成されない。

細菌は“餓死”しうるか、あるいは、少なくとも有機質栄養と酸素を取り上げることによって発育を抑制することができるか?あいにく、微量の有機質でも多くの細菌を養うことができる。これは、Pittnerによる以下の例で説明される。

“1mlの水サンプル中の有機質の100億分の1でも菌体に変換されるならば(細菌の20 %が有磯質で、その比重は水のそれとぼぼ等しいと仮定)、それぞれの直径が1ミクロンの9,500個の細菌が1 mlのサンプル中に存在する。”

すなわち

1ppb有機質一9,500個の細菌/ml

現在利用できるテクノロジーでは栄養レベルを完全に減らすことができないので、細菌の完全なコントロールは単に栄養をコントロールすることによっては達成できない。同様に、“非常に少量の酸素が、たとえ細菌が嫌気性呼吸に変異しないとしても(多くの細菌はこの能力を持っている)、贅沢な細菌発育を支えるのに十分である。これらの理由のため、発育中の細菌集団は高純度の給水システムの中でも生存することができる。(Pittner 1988)

栄養の乏しい環境は実際には細菌の表面への付着を促進する。なぜなら、そこは微量有機質が集積しバイオフィルム中の細胞外ポリマーが微量栄養を捕捉するところであるからである。

細菌を完全に飢餓にすることはできないけれども、栄養に乏しい逆浸透水が通常の飲料水供給よりもバイオフィルムを少なくする。

細菌細胞の大きさ、割合、そして給水システム

これまで、この論文はバイオフィルム層がいかに給水パイプの内部に発育するか、そしてこの層がいかにして流速と栄養レベルに依存しながら平衡の厚さになるかを述べてきた。そして、表面の滑らかさがバイオフィルム付着に影響する重要な要因でないことも考察した。さて、あなたは迷っているかもしれない….

菌体の大きさを典型的なステンレススチールパイプの中の溝やでこぼこの深さとどのようにして比較するか?この溝にフィットするのは一つの細胞なのか100万の細胞なのか?

バイオフィルムの厚さがフラッシングによって、たとえば 100 または 50 ミクロンに制限されれば、これは何個の数の細菌の厚さか?それは、パイプ壁に、あるいはパイプ表面の溝の中に嫌気性菌のゾーンがあると見なすのに十分な厚さか?

バイオフィルムの厚さを1/2”ステンレススチールパイプの内部直径とどのように比較するのか?

このセクションでは、個々の細菌細胞の大きさと割合を、表面の粗さ、バイオフィルムの厚さそしてパイプ直径とどのように比較するかを示す。

表面仕上げと細胞の大きさ

長年、ステンレススチール表面に施される仕上げは#4 のような数字または150 grit のような grit で定義される酪農基準であった。Grit 仕上げは機械的研磨で用いられ、研磨剤のインチあたりの grit 線の数を表す:数が多いほど仕上げが滑らかである。酪農および製薬工業は今でも仕上げに grit コーディングを使用しているが、表面の粗さをもっと正確に測定できるシステムに動いている。

表面の粗さはプロファイルメーターで測定できる。これは表面プロファイルを横切ってトレースするために用いられる鉄筆装置である。結果は RA(表面の中心線からの隔たりの算術平均)または RMS(中心線からの隔たりの自乗平均)のいずれかで表される。RA またはRMS の値はミクロン(またはミクロインチで表される。Edstrom Industries の製図では、表面の粗さはミクロインチの RMS として特定される。RMSは特定表面でRAの数よりも約11%高い。[RA x l.11=RMS]

製薬用の水のためのステンレススチール配管の仕上げ
Meltzer(1993)によれば、”ステンレススチールの表面仕上げに普遍的に受け入れられる基準はない。合衆国における管材料は内部が150~180-grit 仕上げのものが一般的である。シカゴ地区の4つの大きな製薬会社のうち、2社は150-grit に依存し、1社は180-grit、そして1社は180-grit の後に電気研磨を行っていた。注射用の水は通常、240-~320-grit 表面に仕上げたパイプを流れている。

プラスチックパイプの滑らかさ
Gillis(1996)によれば、押し出しポリプロピレンおよび PVDF パイプは電気研磨したステンレススチールと同じ滑らかさである。細菌細胞の大きさの幅における重大な不規則性はない。

Edstrom lndustries の設備とバルブの仕上げ
機械仕上げの設備と飲水バルブでは、我々の製図のタイトルブロックに特定しているデフォルトの仕上げは 64 ミクロインチ RMS である。O-リングのシーリング表面のように、より滑らかな仕上げが必要なときには、32 または16 ミクロインチの滑らかさを指定することができる。機械仕上げのパーツを電気研磨すれば、粗さを 30~40% 減らすことができる。

Edstrom Industries のステンレススチール室内配管材料の仕上げ
Edstrom の室内配管およびマニフォールドに用いられているステンレススチール管材料には溶接した合わせ目があるが、定められた内部表面の滑らかさを持っていない。滑らかに見えるかぶせ仕上げであるが、かぶせ中に平らな金属によって作られる裂け目がある。180-grit 仕上げよりも滑らかでない場合を仮定してみよう

表3.表面測定の比較(Meltzer1993

RMS (ミクロインチ) RMS(ミクロン) RA (ミクロインチ) RA (ミクロン) Grit の大きさ
80
58
47
34
17
14
2.03
1.47
1.2
0.6
0.43
0.36
71
52
42
30
15
12
1.90
1.32
1.06
0.76
0.38
0.30
80
120
150
180
240
320
これらの値は多くの試験の平均データである。これらのデータを出すには多くの変数があるので±5%の備差が考えられる。DCI, Inc.によるBulletin on Material Welds and Finishersから。

プロファイルの高さ
多くの表面上で、表面の粗さの全プロファイルの高さ、すなわち山から谷の高さは RA 値の約 4 倍である。測定した粗さを知り、表面のおおよそのプロファイルを引くことができる。(図7参照)

バイオフィルム細菌細胞の典型的な大きさ
非常に一般的なバイオフィルム細菌は緑膿菌である。緑膿菌の細胞は棒状をしており、幅約 0.3~0.8ミクロン、長さ1.0~1.2 ミクロンである。

表面プロファイルを細菌細胞の大きさと比較する
給水システムに用いられる各種ステンレススチール仕上げ剤の粗さプロファイルは図 7 に図示した。34 マイクロインチ RMS すなわち180-grit 仕上げ(これは酪農、食品、および製薬用途にとって衛生的と考えられる)は細菌をかくまうのに十分の大きさの掻き傷を持つ。14 マイクロインチ RMS(320-gritは注射用の水に典型的であるが、約一つの細菌細胞の深さの傷しかない。320-grit 表面を電気研磨すると細胞の大きさに相当するわずかな表面変動しかなくなる。




図7.緑膿菌細胞の大きさといくつかの典型的ステンレス・スチール表面との比較図。

図8と9は180-gritステンレススチール表面上の緑膿菌細胞の実際の写真である。これらの写真に見られる細菌細胞と表面の傷の相対的な大きさは図7の1801gritプロファイルに似ている。

図8.180 grit 機械的研磨 316L ステンレススチール表面の緑膿菌と180分培養後の 400 倍走査型顕微鏡写真。
細胞が研磨跡に沿って集まる傾向にあることに注目。(Gillis 1996)

図9.図8.と同じ180grit表面であるが、5000倍写真。
割れ目が細菌を収容するのに十分大きいことに注目。(Glllis 1996)

“バイオフィルムは単層の細胞でできているか、または藻菌マットと同じ 300-400 mm の厚さになる。”(Characklis 1990)

フラッシングは自動給水システムにおいてバイオフィルムの厚さを制限する。先に考察したように、フラッシングによるかきとる力はパイプの中央の乱流中にまで伸びるバイオフィルムを脱落させる。それゆえに、バイオフィルムの最大の厚さは特定流速におけるラミナー層とほぼ同じである。

表1は Edstrom Industries の1/2 インチステンレススチール RDS パイプにおけるいろいろな流速に対するラミナー層のおおよその厚さを示している。現在の自動給水システムでは、RDS 配管は約 1.25 gpmでフラッシングされている。これは平均2フィート/秒の流速である。2フィート/秒では、バイオフィルムの厚さは約 125 ミクロンに制限されなければならない。次世代 AWS において、目標はフラッシング流速を 2.3 gpm に増やすことである。これは平均 5 フィート/秒の流速である。5フィート/秒では、バイオフィルムの厚さは約50ミクロンに制限されなければならない。

図10は Edstrom Industries のステンレススチール RDS 配管におけるいろいろなフラッシング速度での最大のバイオフィルム厚さを示している。バイオフィルムの厚さも利用できる栄養によって制限を受けるので、平衡の厚さは栄養がフラッシング速度によって制限さえされればそれ以下になることを銘記されたい。

緑膿菌の個々の細胞とバイオフィルムの厚さを比較し、バイオフィルムが細菌の多くの層を持っていることに注意しよう。また、表面仕上げにおける不規則性は最大可能なバイオフィルムの厚さに比べて小さいことにも注意しよう。これは、研究者が何を発見したかを説明する(・anhaecke 1990):表面に付着する細菌の最大数は表面の粗さには関係ない。

嫌気性の表面条件
バイオフィルムの外表に近い好気性菌は酸素を消費する。バイオフィルムが十分に厚いと、酸素はパイプ表面で枯渇するので、嫌気環境になる。嫌気性の表面条件は腐食問題が多くなるので望ましくない。

自動給水システムにおけるバイオフィルムは嫌気性ゾーンができるほど厚くなるか?ある資料(下記)によると酸素は水/バイオフィルム・インターフェースの 30~40 ミクロン内で桔渇することを示唆している。バイオフィルム内への酸素勾配の深さは大量の水の中の酸素含量、水温および水流によって変化するが、これによって酸素がどこまで拡散キるかについておおざっぱな考えが得られる。

“好気性の緑膿菌バイオフィルム単独培養としては 30~40 ミクロンの深さまで発育するが、培地が嫌気性菌によって修正されるときには 130ミクロンの深さまで増加する。この間接的証拠は、栄養の剥脱でなく一酸素の剥脱が緑膿薗の垂直的発育を制限することを示唆している。”(Costerton 1995)

自動給水システムにおけるバイオフィルムの厚さはフラッシングによって制限されるだけであるが、それは 50~125 ミクロンの厚さで嫌気性ゾーンを持つ。もちろん、O-リングパイプジョイントやねじ切り付属品はもっと深いバイオフィルムを持ち嫌気性ゾーンを持ちやすい。

図 10. E.I. 1/2" ステンレススチール RDS パイプの内部直径および
O-ジョイントリングの割れ目と比較したバイオフィルムの最大の厚さ

バイオフィルムの厚さはフラッシングによってのみ減らすことができ、栄養あるいは消毒の影響を受けないことに注目しよう。異なる流速における1/2”ODステンレススチール RDS パイプのラミナー亜層の厚さの比較図。 バイオフィルの最大の厚さと、34 ミクロインチ RMS 表面のプロファイルおよび緑膿菌細胞(底の左右)んの大きさとを比較せよ。

パイプ直径と比べたバイオフィルムの厚さ
最後の比較はパイプの内部全体の直径と比べた RDS 配管の壁におけるバイオフィルムの最大の厚さを見ることである。この比較は図11に示してあり、Edstrom Industries の 1/2 インチ OD ステンレススチール配管の内部直径(0.428”)と O-リングジョイントの断面を示している。バイオフィルムの厚さは全体のパイプ直径と比べても、また O-リングジョイントの割れ目にできるバイオフィルムの深さと比較しても小さい。

微生物学的な影響による腐食

細菌の表金属表面上の微生物細胞の物理的存在は、その代謝活動とともに、微生物学的な影響による腐食(MIC)すなわち生物腐食を起こす。細菌によって起きる腐食の形態は独特ではない。生物腐食の結果として、陥没、割れ目の腐食、選択的脱合金、ストレス腐食クラッキング、および付着物が腐食を起こす。以下のメカニズムは生物腐食の原因の一部である。

酸素消耗あるいは通気差異細胞

図12.細菌による非均一性(寄せ集めの)コロニー形成の結果として差別的曝気細胞ができる。
この図はバイオフィルムの下の酸素桔渇によるビットの始まりを示す。
(Borenstein1994)

バイオフィルムの不均一な(寄せ集めの)コロニーの結果として、通気差異細胞ができる。そこでは、呼吸しているコロニーの下のエリアが周りのコロニーのないエリアと比較して酸素が枯渇している。金属上の2つの位置における異なる酸素濃度のために、電位差ができ、その結果として腐食が起きる。好気性条件下では、呼吸しているコロニーの下のエリアは陽極になり周りのエリアは陰極になる。

ステンレススチールの保護フィルム
ステンレススチールの表面における酸素枯渇によって保護受動フィルムが破壊される。ステンレススチールは腐食に抵抗するために安定な酸化物フィルムに頼っている。腐食は、酸化物フィルムが傷害を受けたとき、あるいは酸素がバイオフィルム中の微生物によって金属表面から除去されたときに起きる。

硫黄還元細菌
表面における酸素桔渇は硫黄還元細菌(SRB)のような嫌気性菌が発育するための条件もつくる。このグループの細菌は生物腐食の最も頻繁な原因の一つである。これらの細菌は硫黄を還元して硫化水素をつくり、硫化水素は金属と反応して腐食産物としての金属硫化物をつくる。バイオフィルムの外表に近い好気性菌は酸素を消費し、金属表面における硫黄還元細菌に適した生息地を作り出す。硫黄還元細菌は、配管のデッドレッグのような、よどんでいるエリアにトラップされた水の中で発育することができる。硫黄還元細菌の影響を受けた腐食の徴候は硫化水素(腐った卵)臭、水の黒色化、そして黒色の沈着物である。黒色の沈着物は主として硫化鉄である。(Borenstein1994&Geesey1994)

“SRB 活性を抑えるための1つの方法はその必須栄養素すなわち燐、窒素および硫黄の濃度を減らすことである。このようにして、純(RO または DI)水では SRB の問題が少ない。また、バイオフィルムの厚さを最小限にするための手段(フラッシング、消毒、デッドエンドの割れ目を無くすこと)によって SRB が必要とするバイオフィルム中の好気エリアが少なくなる。” (Geesey 1994).

細菌の代謝の副産物
別の腐食メカニズムは細菌の代謝の副産物にもとづく。

酸産生菌
細菌は有機酸や無機酸のような、攻撃的な代謝物を産生する。たとえば、Thiobacillus thiooxidantsは硫酸を産生し、Clostridium aceticum は酢酸を産生する。細菌によって産生される酸類は金属表面から酸化物(受動膜)を溶解し陰極反応速度を速めることによって腐食を促進する。(Borenstein1994)

水素産生細菌
多くの微生物は炭水化物発酵の産物として水素ガスを産生する。水素ガスは金属の中に拡散し、水素脆化を起こす。

鉄細菌
Gallionella,Sphaerotilus,Leptothrix,およびCrenothrixのような鉄酸化細菌は可溶性の第一鉄(Fe2+)形態から鉄を酸化して不溶性の第二鉄(Fe3+)形態に変化させる好気性の糸状菌である。溶解した第一鉄は入ってくる供給水か金属表面のいずれかから得られる。これらの細菌が産生する第二鉄イオンは塩素イオンを惹き付け、オーステナイト・ステンレススチールを攻撃する塩化第二鉄沈着物を産生する。オーステナイト・ステンレススチール上の鉄細菌では、沈着物は典型的に褐色か赤褐色のマウンドである。

バイオフィルムの消毒方法

バイオフィルムは化学処理または物理的処理によって除去および/または破壊することができる。化学的殺菌剤は2つの大きなグループに分けられる。物理的処理には機械的なかきとりと熱湯が含まれる。Mittelman(1986)による論文は、純水システムにおける生物汚染の処理に関して包括的な情報を与えてくれる。もっと知りたい場合はこの論文を参照のこと。

表4.典型的な殺菌剤の用量[注:mg/ml=ppm](Mittelman1986)

殺菌剤 用量(mg/l) 接触時間(時間)

塩素

オゾン

2酸化塩素

過酸化水素

ヨウ素

第4級アンモニウム塩

フォルムアルデヒド

陰イオン&非イオン界面活性剤

50-100

10-50*

50-100

10% (v/v)

100-200

300-1000

1-2% (v/v)

300-500

1-2

<1

1-2

2-3

1-2

2-3

2-3

3-4

* オゾンの用量は10・50mg/Lであるが、水中の残存レベルは1-2mg/L

酸化性殺菌剤
Mittelmanは等しいm/Lベースで純水システム中の酸化性殺菌剤の有効性は以下の順で減少するといっている。

    オゾン>2酸化塩素>塩素>ヨウ素>過酸化水素

塩素
Mittelman(1990)によれば、“塩素はすべての酸化性および非酸化性殺菌剤のうちでおそらく最も効果的で最も廉価である。”付着バイオフィルムに対する塩素の活性は特別に高い;浮遊細菌およびバイオフィルム細菌を殺すばかりでなく、塩素はポリサッカライド膜と表面へのその付着物と反応し破壊もする。細胞外ポリマーを破壊することによって、塩素はバイオフィルムの物理的統合性を解体する。

Characklis(1990)は下記の手段を取ることによって塩素処理プログラムを改善するように推奨している。

水-バイオフィルム・インターフェースにおける塩素濃度を増やす

塩素がバイオフィルム中に拡散するにつれて、塩素は細菌細胞および細胞外物質と反応して使い果たされる。低い塩素濃度では、バイオフィルム細菌は塩素がそれを通過して拡散するよりも速く細胞外物質を産生することができるので、細菌はスライム中に保護される。濃度を増やすことによって、塩素はより速くバイオフィルム中に拡散する。バイオフィルムを消毒するようなときには、低い塩素濃度で長時間作用させるよりも高濃度で短時間のほうが効果がある。

水-バイオフィルム・インターフェースにおける液体刈り込みストレスを増やす

  • 塩素消毒とフラッシングを同時に行うとバイオフィルムによる塩素の取り込みが多くなり以下によりバイオフィルムの剥離が増える。
  • バルク水からバイオフィルムへの塩素の移行が増える。
  • 塩素消毒中のバイオフィルムの崩壊によって新しいバイオフィルム表面が塩素攻撃にさらされる。粘桐なあるいはラミナー状の亜層の厚さが減る

pHコントロールを用いる

高いpHは、次亜塩素酸イオンによって促進される成熟バイオフィルムの剥離を容易にし、低いpHは薄いフィルムの次亜塩素酸消毒を高める。Characklisは興味ある操作は、PH 6.5における持続的な塩素処理とpH 8におけるショック塩素処理を交互に行うことであると提案している。彼はこれを試験したとは言っていない。

2酸化塩素
2酸化塩素は塩素に似た消毒活性を持つ。これは不安定なので、現場で混合し調製しなければならない。塩素のように、2酸化塩素は金属を腐食する。また、注意深く取り扱わなければならない。

オゾン
酸化剤として、オゾンは同じ濃度で塩素の約2倍強力である。2酸化塩素のように、オゾンは反応性が高く比較的不安定なので現場で発生させなければならない。システムは適切なオゾン耐性の材料で設計しなければならない。

“オゾンは通常、1-2 mg/Lで持続的に用いられる。持続的に高濃度を用いても成功しない。これは、おそらく純水中のオゾンの溶解性に限界があるからであろう:高濃度のオゾン溶液をつくることは難しい(Miielman1986)。”それぞれ1-2mg/Lで比較すると塩素はオゾンほど強力ではないけれども、塩素は高濃度で用いて同じ消毒効果を出すことができる。

過酸化水素
“過酸化水素は副産物を出さないので微量電気グレードの純水に殺菌剤として使われることが多い;過酸化水素は急速に水と酸素に分解する。容積比10%の純水溶液は浮遊細菌を殺すのに有効のようであるが、付着バイオフィルムに対する有効性についてもっと研究する必要がある(Miielman1986)。”

非酸化性殺菌剤

第4級アンモニウム塩
殺菌作用に加えて、第4級アンモニウム塩は効果的な界面活性剤/洗剤であり、このことはバイオフィルムの不活化と表面からの剥離に用いるさいに重要なファクターである。純水システムから除去するのにすすぎを十分にする必要があることが多いのですすぎ性が問題である。

フォルムアルデヒド
フォルムアルデヒドは製薬グレードのシステムに応用されてきた。ステンレススチールに対しては比較的非腐食性である。バイオフィルムに対する有効性は疑問であり、発癌性がある。

陰イオンおよび非イオン界面活性剤
これらの界面活性剤あるいは洗剤の純水システムにおける細菌に対する殺菌作用は限られている。バイオフィルムや他の粒子の除去を改善するために他の殺菌剤と併用でこれらの洗剤を使えるかもしれない。

物理的処理


注射用の水システムでは細菌を殺すために再循環熱湯ループ(80℃以上)が用いられる。Mittelman(1986)によれば、このようなシステムを持続的に用いれば浮遊細菌が殺され、バイオフィルムの発育が減る。定期的な熱湯消毒はバイオフィルム中の細菌を破壊するために用いることができるが、Collentro(1995)によれば、これには100分以上95℃を必要とする。これは動物用の飲水システムでは実際的でない。

機械的除去
Mittelmanから:“重いバイオフィルムは化学品だけの使用では貯蔵タンク壁から除去することができない;機械的なかきとり、高圧スプレー、あるいはこの併用も必要である。バイオフィルムの配水システムからの機械的除去は実際的でない。’’ROシステムのメンテナンスには、我々は貯蔵タンクを慣例的にこすり洗いしないが、通常、貯蔵水に低濃度の塩素を持続的に用いているので、バイオフィルムは発育しない

殺菌剤耐性

ヒト、動物、および植物の病気にかかわる細菌と戦うために用いられる抗生物質とは異なり、細菌は工業用殺菌剤には同じタイプの耐性を発現しない。抗生物質と工業用殺菌剤との違いは、抗生物質が細菌細胞の上または中に少数の標的部位を持つのに対して、すべての酸化性殺菌剤は多数の潜在的標的部位を持つことである。たとえば、塩素は100以上の潜在的標的部位を持つと考えられている。このような化合物に対して微生物が一般的な耐性を発現することは実質的に不可能である(Mittelman1986)。しかしバイオフィルム中の細菌はスライムで保護されるので殺菌剤に耐性になることができる。

バイオフィルムの回復(再発育)

バイオフィルムを伴う細菌は浮遊微生物よりも殺したり表面から除去するのが困難である。Characklis(1990)によれば、数多くの研究者およびプラントオペレーターは“塩素処理ののちに即座に急速な生物汚染の再開のあること”を観察している。バイオフィルムの不完全除去によってその平衡状態に速やかに戻り消毒後の総菌数の跳ね返りを起こす。

図13(Mittelman)は消毒後の典型的な再発育を示している。最初はバルク水中の菌数はゼロに落ちるが、徐々に増加し処理前のレベルまたは以下になる。この例において再発育は2日後に始まり20日後に平衡レベルに戻る。これはEdstrom Industriesでの社内試験での結果と似ている。

図13.消毒後にバイオフィルムが回復する例。
菌数計算のためのサンプルは毎日採取。(Mittelman1986)

Characklis(1990)によれば、バイオフィルムの回復は以下の1つまたはすべてに起因する。

1. 残ったバイオフィルムには十分な生菌が含まれているので再発育に遅延段階がない。このように、ショック塩素処理後のバイオフィルムの回復は清浄なパイプ上に初めて蓄積するよりも速い。

2. 表面に残ったバイオフィルムは清浄なパイプよりも表面を粗くする。粗い沈着物は表面を粘着性にし、水から細菌細胞や他の化合物を吸着しやすくなる。

3. 塩素は細胞外ポリマーを選択的に除去するがバイオフィルム細胞を除去しない。このように、残ったバイオフィルム細胞は塩素処理が終わったときには栄養素に以前よりも暴露されている。

4. 生き残った微生物は塩素による刺激に対する防衛反応としてより多くのスライム(細胞外ポリマー)をつくる。

5. 消毒剤に感受性の低い微生物の選択がある。通常、これは緑膿菌のような過剰のスライムを産生する微生物である。

ケーススタディ:
 緑膿菌のための消毒選択

1996年に長期試験のマウスが数匹死んだとき、この実験動物施設は原因はラックのマニホールド配管中に発見された緑膿菌であると疑った。再循環自動給水システムを1982年にインストールして以来初めて塩素消毒するまで水中に緑膿菌を同定したことがなかった。

システムのタイプ:塩素処理していない RO の後にカーボンフィルターがあり3つの充填貯蔵タンクの前に脱イオンタンクがある。カーボンと DI フィルターはRO水に多くの細菌を加えやすい。行われている栄養試験のために塩素は動物の飲水に使われていない。1つのタンクは非循環式で塩素処理のないラックマニホールドフラッシングに2週以上給水する。他の2つのタンクは再循環ループ式で自動給水システムに給水する。室内配管のフラッシングはなく、タンク水の入れ替え頻度は少ない。

細菌検査:施設は飲水の細菌検査を定期的に行っている。RO 貯蔵タンクから総菌数10,000-50,000cfu/mlを定期的に得ており、動物に健康問題が起きたことがない。総菌数が100,000cfu/mlを越えたときに、最初のシステム消毒を決断した。

消毒:すべての動物ラックを取り外して20ppmの塩素に4時間浸した。菌数はその後2週間は非常に低かったが、その後増加した(消毒後の典型的再発育)。

推察:塩素消毒は緑膿菌のような塩素耐性菌を選択的に促進した。おそらく緑膿菌はずっと存在しており、パイプとタンクの壁に付着している成熟バイオフィルムの中に保護されていたのであろう。20ppmのような低濃度での1回の消毒では100%の緑膿菌を殺しそうにない。

おそらく消毒が自動化されていたら、自動給水システムはバイオフィルムが完全に回復する前に数日おきに簡単に再消毒できたであろう。

細菌の検出と菌数測定

細菌レベルの定常的モニタリングは実験動物の飲水の質モニタリングの必須部分である。水中の菌数測定の古典的方法は、プレートカウントを行うことである。これは培地の表面に一定量のサンプルを撒き一定時間後に発育する可視コロニー数をカウントする。しかし、プレートカウントは給水システムに存在する総菌数を低く見積もる可能性を認識しておかなければならない。

多くの細菌はバイオフィルムの中にいる

水のサンプルは浮遊細菌しか集めない。動物の飲水中の浮遊細菌はバイオフィルムから抜け落ちたものか入ってくるか供給水から通過してきたもののいずれかである。プレートカウント数が低かったら、給水システムの中に細菌が存在しないと思ってはならない。給水システムの中の細菌の99%以上は、パイプ表面に付着したバイオフィルムの中にいる。成熟バイオフィルムの統合性がフラッシングまたは消毒によって破壊されなかったならば、飲水中に多くの細胞を抜け落ちさせないが、そこにはいぜんとして存在する。Smith(1987)は次のように言っている、

“あなたが水のサンプルを採取するとき、システムの中の細菌の”迷子“だけをサンプリングしているのであって、主要な“群”をサンプリングしているのでぼない。”

プレートカウントはすべての生菌を検出しない

プレートカウントはサンプル中の細菌が特定の栄養培地に発育する能力に基づいている。細菌が一つの栄養で発育するとき明瞭なコロニーを形成する。理論的に、コロニーは単一の細菌細胞に由来する。細菌の過小評価には一つしかコロニーを形成しない細菌の塊によって起きることがある。

生菌が栄養の乏しい純水中で非常に低いもう一つの理由は、その細菌が飢餓状態にあってリッチな栄養培地で発育できないことである。リッチな検査培地は高純度の水システム中に生きることに適応している細菌には有毒である。純水からの細菌の回収を高めるには、特殊培地(R2A寒天)、培養温度の低下、培養時間の延長が用いられることがある。

粒子シャワーを理解する

菌数測定の結果が非常に散漫に思えることがある。システムの1ポイントから採取したサンプルが 10 cfu/ml 以下から数え切れないまで変動することがある。あるいは、通常、菌数は低いがときどき高い菌数が現れる。この変動には、バイオフィルムが定期的に“脱落”し菌数を飛び上がらせることを理解することによって説明できることがある。Patterson(1991)によれば、“特定の位置におけるバイオフィルムの統合性の突然の破壊によって細菌と粒子のシャワーが時間的にランダムに起きる。”

結論

“したがって、状況は、表面の滑らかさも、構造材料も、流速もいずれもバイオフィルムの形成を遅延ざせない。”(Meltzer 1994)

我々は水を浄化して栄養を除去し、“この中では何物も生きられないだろう”という。 細菌は栄養を濃縮するためにポリマー網を利用する。細菌は我々が測定できないような栄養で生きることができる。
我々は細菌をパイプから洗い流そうとして給水ラインをフラッシングする 細菌はラミナー層の下に自分の粘着性のポリマーで表面に付着する。ラミナー層の下でははぎ取りの力が弱すぎて細菌を除去できない。
我々は装置の内面を滑らかにして、細菌が割れ目や裂け目に隠れられないようにする これは問題ではない。とにかく、細菌はスピーディーにそして必然的に付着する。
我々は塩素で配管を消毒する。 細菌はスライムの中に隠れている  

だから、解決策は何か?

とにかく浄化する!

浄化は栄養を、特に腐食問題を起こす硫黄還元細菌のような微生物のための栄養を多少とも制限する。栄養の乏しいRO水は水道水よりも細菌数が少ない。これは薄いバイオフィルムを意味する。さらに、動物はより高質の飲水を飲むことができる。

とにかくフラッシングする

定期的フラッシングはバイオフィルムの厚さを最小限にする。薄いバイオフィルムほど嫌気性ゾーンが少なく消毒剤が拡散してパイプ表面に達するまでの距離が短くなる。

とにかく割れ目を最小限にする

表面仕上げはバイオフィルムの付着に関するかぎりあまり問題ではないが、大きな割れ目をなくすることは(O-リングジョイントのように)消毒が困難で腐食性の高いバイオフィルムの深いポケットをなくする。また、電気研磨は耐腐食性を高める。

とにかく消毒する

バイオフィルムが仮に3日で回復しても、1-2 日ごとに消毒することによって、ノックダウンできる。これは自動塩素またはオゾン消毒によってすることができる。

ただ一つの簡単な答はない。持続的な塩素レベルを給水に入れられなければ、併用戦略を採らなければならない。しかし、我々が持っているすべての武器を用いるならば、我々の顧客や実験動物のニーズを満足させる細菌学的水質をかならず得られるだろう。

リンク集

インターネット上の他のサイトにバイオフィルムに関する情報があります。

Pseudomonas and the Laboratory Animal
David M. Moore, DVM 著

Center for Biofilm Engineering
Center for Biofilm Engineering は Bozeman にある Montana State University に 1990 年に National Science Foundation Engineering Research Centers プログラムによって設立された。その任務はバイオフィルムのできるプロセスを理解し、コントロールし、そして利用するための基礎知識と教育を進めることである。

The Biofilm Club
Biofilm club クラブは英国に本拠をおくクラブで、オンラインのニュースレターや出版物を提供しています。クラブの目的は微生物が表面に付着すること、ついでバイオフィルムを形成すること、そしてバイオフィルムの生物学、コントロールおよび利用に関するサイエンスに関連する研究所見やアイデアのコミュニケーションと議論を深めることである。

参考文献集

Anderson, R.L.; Holland, B.W.; Carr, J.K.; Bond, W.W.; Favero, M.S. “Effect of Disinfectants on Pseudomonas Colonized on the Interior Surface of PVC Pipes” AJPH, pp. 17-21, (January 1990).

Borenstein, S.B., Microbiologically Influenced Corrosion Handbook, Industrial Press Inc., New York (1994).

Camper, A.K.; Hamilton, M.A.; Johnson, K.R.; Stoodley, P.; Harkin, G.J.; Daly, D.S. “Bacterial Colonization of Surfaces in Flowing Systems: Methods and Analysis” Ultrapure Water 11(6), pp. 27-35 (September 1994).

Characklis, W.G.; Marshall, K.C. eds. Biofilms, John Wiley & Sons, Inc., New York (1990).

Coghlan, A. “Slime City”, New Scientist 15(2045), pp. 32-36 (August 31, 1996).

Collentro, W.C. “Microbial Control in Purified Water Systems - Case Histories”, Ultrapure Water 12(3), pp. 30-38 (April 1995).

Costerton, J.W.; Lewandowski, Z.; Caldwell, D.E.; Korber, D.R.; Lappin-Scott, H.M. “Microbial Biofilms”, Annual Reviews of Microbiology 49, pp. 711-745 (1995).

Dreeszen, P.H., Microbiological Survey of Automated Watering Systems, Edstrom Industries Inc. Document #D209 (December 1996).

Duddridge, J.E.; Kent, C.A.; Laws, J.F. “Effect of Surface Shear Stress on the Attachment of Pseudomonas fluorescens to Stainless Steel under Defined Flow Conditions”, Biotechnology and Bioengineering 24(1), pp. 153-164 (January 1982).

Flemming, H.C.; Geesey G.G. eds. Biofouling and Biocorrosion in Industrial Water Systems, Springer-Verlag, New York (1991).

Geesey, G.G.;Lewandowski, Z.; Flemming, H-C. Eds, Biofouling and Biocorrosion in Industrial Water Systems, Lewis Publishers, Ann Arbor (1994).

Gillis, R.J.; Gillis, J.R. “A Comparative Study of Bacterial Attachment to High-Purity Water System Surfaces”, Ultrapure Water 13(6), pp. 27-36 (September 1996).

Gould, M. “Evaluation of Microbial/Endotoxin Contamination Using the LAL Test”, Ultrapure Water Expo ‘93, pp. 89-92 (1993).

Hamilton, N.F. “Antimicrobial controls effects of bioslime”, Modern Plastics, pp.166-168 (May 1988).

Harfst, W.F. “Fundamentals in Microbiology for High-Purity Water Treatment” Ultrapure Water 9(5), pp. 33-35 (July/August 1992).

Husted, G.R.; Rutkowski, A.A.; Couture, A. “Response of Oligotrophic Biofilm Bacteria in High-Purity Water Systems to Stepwise Nutrient Supplementation”, Ultrapure Water 11(6), pp. 43-50 (September 1994).

LeChevallier, M.W.; Cawthon, C.D.; Lee, R.G. “Inactivation of Biofilm Bacteria”, Applied and Environmental Microbiology 54(10), pp. 2492-2499 (October 1988).

LeChevallier, M.W.; Lowry, C.D.; Lee, R.G.; Gibbon, D.L. “Examining the Relationship Between Iron Corrosion and the Distribution of Biofilm Bacteria” Journal AWWA 85, pp. 111-123 (July 1993).

Lund, V.; Ormerod, K. “The Influence of Disinfection Processes on Biofilm Formation in Water Distribution Systems”, Water Research 29(4), pp. 1013-1021 (1995).

Mayette, D.C. “The Existence And Significance Of Biofilms In Water”, WaterReview, pp. 1-3, Water Quality Research Council, Lisle Il (1992).

Meltzer, T.H. High-purity Water Preparation for the Semiconductor, Pharmaceutical, and Power Industries. Tall Oaks Publishing, Inc., Littleton CO (1993).ハ

Milledge, J.J.; Jowitt, R. “The Cleanability of Stainless Steel Used as a Food Contact Surface”, National College of Food Technology, Weybridge, Surrey; known journal, sometime after 1979.

Mittelman, M.W. “Biological Fouling of Purified-Water Systems: Part 1, Bacterial Growth and Replication”, Microcontamination 3(10), pp. 51-55, 70 (October 1985).

Mittelman, M.W. “Biological Fouling of Purified-Water Systems: Part 2, Detection and Enumeration”, Microcontamination 3(11), pp. 42-58 (November 1985).

Mittelman, M.W. “Biological Fouling of Purified-Water Systems: Part 3, Treatment”, Microcontamination 4(1), pp. 30-40, 70 (January 1986).

Patterson, M.K.; Husted, G.R.; Rutkowski, A.; Mayette, D.C. “Isolation, Identification, and Microscopic Properties of Biofilms in High-Purity Water Distribution Systems”, Ultrapure Water 8(4), pp. 18-24 (May/June 1991).

Pederson, K. “Biofilm Development on Stainless Steel and PVC Surfaces in Drinking Water”, Water Research 24(2), pp. 239-243 (1990).

Pittner, G.A.; Bertler, G “Point-of-use Contamination Control of High Purity Water Through Continuous Ozonation”, Ultrapure Water 5(4), pp. 16-22 (May/June 1988).

Potera, C. “Biofilms Invade Microbiology”, Science 273, pp. 1795-1797 (September 27, 1996).

Smith, S. “Tricky Water Treatment Jobs”, Water Technology, pp. 31-38 (March 1987).

Stanley, P.M. “Factors Affecting the Irreversible Attachment of Pseudomonas aeruginosa to Stainless Steel”, Canadian Journal of Microbiology 29(11), pp. 1493-1499 (November 1983).

VanDer Kooij, D.; Veenendaal, H.R.; Baars-Lorist, C.; VanDer Klift, D.W.; Drost, Y.C. “Biofilm Formation on Surfaces of Glass and Teflon Exposed to Treated Water”, Water Research 29(7), pp. 1655-1662 (1995).

VanHaecke, E.; Remon, J-P; Moors, M.; Raes, F.; DeRudder, D.; VanPeteghem, A. “Kinetics of Pseudomonas aeruginosa Adhesion to 304 and 316-L Stainless Steel: Role of Cell Surface Hydrophobicity”, Applied and Environmental Microbiology 56(3), pp. 788-795 (March 1990).

用語表

吸着 ある物質が他の表面にくっつくときに起こる物理的プロセス。吸着は化学反応がなくて起きる物理的プロセスである。
好気性 発育するために空気または遊離酸素を必要とする
嫌気性 空気または遊離酸素なしで発育する
AWS 自動給水システム
境界層 流速がゼロに下がったパイプ壁における薄層状または静止のゾーン
走化性 化学的勾配に反応した微生物の運動
鞭毛 細菌を運動させる長くて線状の付属物(図3参照)
グリコカリックス 細菌が固体表面に吸着して栄養を捕捉するために排泄する細胞外高分子化合物(粘着性ポリマー)
親水性 水を吸収する性質を持っている
疎水性 水をはじく性質を持っている(例:テフロンは疎水性材料である)
ラミナーフロー 層流:お互いに混じり合わないなめらかで、絶え間なく、乱れがなく平行な層における液体運動r
運動性 水に依存しない運動
低栄養微生物 栄養の乏しい環境で発育することができる細菌または他の微生物
浮遊微生物 その運動が水の運動で制御される(表面に吸着しない)浮遊微生物
RA 表面の中心線からの偏りの算術平均
RDS 室内配管、自動給水システムの一部
RMS 表面の中心線からの偏りの自乗平均
固着生物 固体表面にくっついている(浮遊生物の反対)
表面荷電 固体表面に暴露されたプラス荷電とマイナス荷電の間の平衡
表面自由エネルギー 表面の疎水性または親水性の程度

このページのTOPへ

© 2013 Edstrom Japan, Co., LTD. All rights reserved